「仕事は根性だから死ぬ気で働け!」というようなベンチャー社長がいる。あまりに時代遅れだと思う。「死ぬ気で働け!」と言われて過労で倒れてしまったり、最悪の場合本当に死んでしまう人もいる。無理して仕事に命を捧げてしまうなんて本当に馬鹿馬鹿しいこと。過労を強制してくる会社は言語道断だ。
— Ryuta.k (@Rkpb_R) 2021年7月26日
「死ぬ気で働け!」というような社長、上司がいる会社は長持ちしません。
そんな会社は時代錯誤も甚だしい泥舟です。
読者の中にはそのような会社で働いている人もいるかもしれませんが、
よほど会社のビジョンに共感できるなどでなければ辞職/転職を考えたほうが良いでしょう。
実は、資本家側の理屈で言えば
「死ぬ気で働け」というのは利益最大化のためには極めて合理的な発想ではあります。
古典的なテキストになりますが、マルクスの「資本論」では、
剰余価値(純利益と考えてください)は労働力の搾取から産まれるとしています。
マルクスは19世紀の人物ですが、この理論は今現在でも通用します。
「死ぬ気で働いてもらえれば働いてもらうほど会社にとっては利益が大きい」のです。
従業員から時間的体力的にリソースを搾り取ればとるほど会社的には「美味しい」ということです。
それゆえ、古い体質の会社は根性論で従業員をコキ使おうとするのですね。
「働けば働くほど成長できるぞ!働けば働くほどお前のためになるぞ!」と。
本当は、従業員が働けば働くほど会社(資本)が成長し、
働けば働くほど会社(資本)のためになるカラクリです。
マルクスが資本主義に問題意識を持ち、研究していた19世紀のイギリスでは経営側が圧倒的に強気な条件を労働者に突きつけることができました。
労働者を守る法、環境も当時はほとんど整備されていません。
それゆえ、労働者は劣悪な空間での超長時間労働を受け入れる以外に、「死ぬ気で働く」以外に、生きていく術がありませんでした。
しかしそんな話はもう150年前の出来事です。
今われわれが生きているのは21世紀の日本です。
どの会社に雇われても劣悪な労働環境があるわけではありませんし、
どの会社に雇われても長時間労働が待っているわけではありません。
様々な業種で様々な職場環境があるはずであり、
人々にとっての最適な会社、最適な環境をある程度の範囲で選択することができるはずなのです。
ひとつの会社に文字通り「死ぬ気で」尽くす必要など無いのです。
誰もがワークライフ・バランスを求めていいのです。
従業員に対して「死ぬ気で働け」などと言う会社はつけ上がっているのです。
「死ぬ気で働かせても辞めるわけがなかろう」と舐めきっているのです。
そういった非人道的な経営者を世の中から根絶するためにも、
もし職場が奴隷的労働を強要してくるような劣悪な環境なら即刻辞表を叩きつけてやりましょう。