「勉強ばかりしていても実経験に役立たないのでは意味がない」
座学を軽視し実経験を重視している人からよく聞く台詞です。
私は「この世には経験に結びつかない勉強などない」と考えています。
"主体的に"行った勉強はいずれ、必ずどこかで、多かれ少なかれ実経験(実際の生活)に有機的に結びついていきます。
いずれ、必ずどこかで人生に実際に役立つのです。
そもそもの話、経験に先立つのは思考です。
そして思考に先立つのは学習です。
例をあげましょう。
脱サラして起業した人はほとんどの人が
「どのようなジャンルで起業しようか」
「私に向いている事業はなにか」
と構想し、実際にそれを調べ(勉強し)、
「よし、これならやれそうだな」という微かな確信のようなものを抱きつつサラリーマンを辞めるのが普通です。
また、たとえ成功の確信などなく起業の世界に"飛び込んだ" としても、
そもそも「起業」という概念、思考がなければ脱サラに至ることはなかったのではないでしょうか。
つまり、人生のどこかで起業について「勉強」したことがないのにも関わらず「起業」という行動を発生させるのは
原理的に不可能なのではないでしょうか。
「行動/経験」のもとが「概念/思考」であり
「概念/思考」のもとが「勉強」であるならば
「勉強」は「行動」する上で役に立たないなどとは決して言えないはずです。
こう考えると、
「勉強ばかりしてて実際にそれで稼いでないのでは意味がないよ」
「経験に役立たない読書なんて無駄だよ」
「どんなに教養を磨いても実生活には役に立たないよ」
このようなことを言う人が、
いかに自分の無知さ加減を丸出しにしているかがよく分かります。
主体的に行う限り役に立たない勉強などないのです。
たくさんの種を撒けばたくさんの実を結ぶように、
勉強すればするほど実生活に実際に役に立つと言って言い過ぎではありません。
勉強すればするほど実経験においても様々な可能性が生まれるのです。
もちろん実際に手足を動かすことも重要には違いありません。
でも、だからといって、勉強を軽視して良いわけではないのです。