公私問わず「自分に自信がありません」という相談を受けることが多いです。
話を具体的によく聞いてみると、
「自分には大した学歴も経歴もなく自信がありません」と言う人、
「容姿が周囲より劣っている気がして自信がありません」と言う人、
「仕事で失敗ばかりで自信がありません」と言う人、
「異性にモテた経験が無く自信がありません」と言う人、
「理由は思い浮かばないけどなんか自信がありません」と言う人…
自信がない理由は人それぞれ、さまざまです。
自信について相談を受けるたびに私が思い出すのは、
「根拠のある自信はモロい、根拠のない自信は強い」
という、ある自己啓発書に書いてあった言葉です。
まさに「自信」の本質のど真ん中をついていると思います。
自信には根拠はいらないのです。
むしろ、根拠は自信を阻害するものだと言っても良いでしょう。
上の相談者の例で言えば、
「大した学歴もなく自信がない」と言っている人は学歴という「根拠」があれば自信がもてるのではないかと思っているのだと思います。
しかし、「高い学歴がなければ自信に繋がらない」と言う人の「高い学歴」というのは非常に相対的なものであり、
「学歴」というブランド、根拠こそが自信の源だと考えてしまっている人の将来はおそらく悲惨です。
そう言った人が、たとえば頑張って「早慶」に入学してもその自信はモロく打ち砕かれることでしょう。
なぜなら早慶の上位に「旧帝大」があるからです。
頑張って「北大や九大」に入ってもきっと満たされないでしょう。
なぜなら偏差値的上位に「東大や京大」があるからです。
「東大や京大」に入学したとしてもコンプレックスは無くならないはずです。
なぜなら学内は化け物のようなエリートだらけですし、
さらに世界を見渡せば東大はたかが35位に過ぎないからです。
以上は学歴だけでなく「仕事のレベル」や「容姿のレベル」の例でも全く同じことが言えるでしょう。
ひとたび自信に根拠を求め出すと、
永遠に終わらないコンプレックスの沼にハマり込むことになるのです。
「根拠」を自信の拠り所にするということは、
その「根拠」が崩れ去ったら自信もモロく崩れ去るということです。
こんなに不安定な自信はきっとないでしょう。
安定した自信とは根拠のない自信のことです。
「細かいことはよく知らんけど私ならできる」というのが根拠のない自信です。
根拠のない自信は、「根拠がない」ゆえに、
否、より正確に言うのであれば「あなた自身」が自信の根拠であるがゆえに、
あなたがあなたにとって存在し続ける限り揺らぐことのないものなのです。