「自己啓発書やビジネス書は同じようなことばかり書いてあるから意味がない」
そんな声をたまに聞くことがあります。
たしかに、ある程度自己啓発書を読んだことがある人であれば、
何か「新しい知識」を得ようとして自己啓発書を開いてみてもきっと「これはあの本にも書いてあったことだな」と思うでしょう。
「自己啓発書に書いてあることは割と被っている」というのはその通りだと思います。
しかし「自己啓発書は意味がない」とまで言ってしまうのは少し勇み足のような気がします。
自己啓発書には大いに意味があります。
私の考えでは、自己啓発書から学べるのは「物事に対する新しい光の当て方」です。
たしかに、自己啓発書それぞれで同じことを言っているように思われることもあるかもしれませんが、
それぞれの「光の当て方」つまり、表現方法や具体例、エピソードトーク、レトリックなどは大きく異なっているはずです。
たとえば、「思考は現実化する」というテーマで書かれている自己啓発書はとても多いと思いますが、
「思考は現実化する」という概念への光の当て方は本当に千差万別です。
私が好きな著者が書いている例では、
「私は大学時代から数千冊の本を読んでいた。
大学生向けの本だけではなく、30代向け、40代向け、マーケティングマネージャー向け、社長向け、さらに本の著者向けの本まで読んでいた。
そうしているうちに、私は自分が将来本の著者になるに違いないと確信するようになった。
その結果いま、こうして本を書いている。」
というものがありました。
これはひとつの「思考は現実化する」への光の当て方です。
また、私のメンターのひとりの著作では、
「紙に書くことにより願いは叶う。5年後、10年後、20年後、あなたがどうありたいかを鮮明に紙に書きましょう。
具体的すぎるほど具体的に書きましょう。そうして、思考は現実化するのです。」
このような光の当て方をしていました。
これもひとつの「思考は現実化する」という概念の表し方でしょう。
他にもさまざまな自己啓発書が、さまざまな表現の仕方で
「思考は現実化する」概念やその他の概念に多方面からの千差万別なアプローチをしています。
たしかに書いていることは同じであっても、
見ている角度、アプローチの方法が著者によりまるで違うのですね。
よりたくさんの自己啓発書を貪り読むことで、
一つの概念を多角的にとらえる訓練になることは間違いないでしょう。
繰り返しますが、自己啓発書から学べるのは
「この概念はたしかに知っているけど、こんな発想は自分の頭からは一生かかっても出てこないな」という物事への光の当て方です。
是非、「自己啓発書は意味がない」と切り捨ててしまうのではなく
「物事/概念への光の当て方」という側面から読んでみてください。
きっと、新しい刺激と深い学びが得られるはずです。