先日、こちらの記事で「ネガティブな感情は抑圧したり無視したりするのではなく受け入れるのが大切」という話をしましたが、今日はこの話を少し広くしつつ深めて「感情の処理の方法」というテーマで書いていきたいと思います。
結論から言いますと、ネガティブや執着、欲求などの厄介な感情を処理する方法は主に、
①感情を満たす
②感情を抑圧する
③感情を解放する(手放す)
この三種類に分けられます。
恋愛や人間関係などで感情に振り回され疲れがちな人の参考になればと思いますので、是非読み進めてみてください。
①感情を満たす
1番シンプルで分かりやすい方法ですね。
ネガティブな感情や執着、欲求などが出てきたらその欠乏などを埋める形で感情を処理します。
例えば、「恋人が返信をくれない」というイライラだったら相手に返信を義務化させることなどにより直接的に感情を解決します。
例えば、「仕事が上手くいかない」というモヤモヤがあるとしたら仕事に打ち込み、努力して仕事で成果をあげ、欠乏を満たしていきます。
例えば、「お金が無くて追い詰められている」という行き場のないネガティブ感情を処理するため、「お金を稼ぐ」という行動をとります。
多くの人がネガティブ感情や執着、欲求などを処理するために半自動的に「感情を満たす」ということを考えると思います。
しかし、至って当然なデメリットとして、いつも感情を満たせるわけではありません。
例えば「恋人に返信を義務化させることにより自分のイライラを満たす」という方法を取りたいとしてもそれは相手ありきの問題なため、相手に「NO」と言われればそれでお終いです。
また、ひとつのネガティブ感情を満たしたとしても根本的に解決していない限り更なるネガティブ感情に襲われるのは必至ですよね。
例えば「仕事が上手くいかない、そんな自分には価値がない」という思考回路を手放さない限り、
ある仕事Aで上手くいったとしても別の仕事Bで上手くいかなかったら再び自己否定感に苛まれるでしょう。
どうやら「感情を満たす」というシンプルな感情処理の方法では上手くいかないこともあるようです。
②感情を抑圧する
これもありがちな処理方法ではないでしょうか。
あるネガティブ感情、執着や欲求が出てきたときに「そんなのはよくない」「自分はそんなことを思ってない」と押さえ込んだり、無視したりする方法です。
前節の例を使えば「恋人が返信をくれない」という状況にイライラしているとしてそれを我慢したり、その感情について見て見ぬフリをしたりなどということですね。
このブログの常連さんならもうお分かりの通り、私はこの方法はあまり良くないと思っています。
まず、感情を抑圧しても根本的な解決になっていません。それはただの一時しのぎに過ぎません。
ネガティブな感情や欲求が起きたときに「私はそんなこと感じていない」「こんなことを感じるのは良くないこと」と感情をスルーしたり封じ込めたりしても、
必ず似たようなシチュエーションで似たようなネガティブ感情が吹き出してきます。
さらに、ネガティブ感情は抑圧しても無くなりません。
ネガティブ感情を抑圧すると何となくその場は収まったような気もするかもしれませんが、
それはネガティブ感情がなくなったわけではなく潜在意識下に押さえつけられて押し込まれているだけです。
片付けが上手くない人はとりあえず一時しのぎで押し入れにパンパンに物を詰め込んで掃除した気分になったりするものですが、まさにあんなイメージだと思います。
パンパンに詰め込んだ押し入れをいざ開けるとガラガラと物がなだれ落ちてくるように、
パンパンに抑圧されたネガティブ感情もちょっとしたきっかけで大爆発してしまいます。(いわゆるメンヘラ自爆行動など。抑圧があまりにもひどくなると自傷行為に至るケースもあります。)
「抑圧」という方法ではネガティブや執着を解決するどころか、より悪化させる恐れがありそうです。
③感情を解放する(手放す)
私のおすすめしているネガティブ感情の処理方法はこの「解放(手放し)」です。
順を追って分かりやすく説明すると…
①ネガティブ感情や執着、欲求などが発生します
②ただそれを感じてみます
③そしてそれを言語化してみます(「これは○○が原因のイライラだ!」「これは○○への執着だ!」など)
④そのネガティブ感情を感じている自分をひたすら受容してあげます(「こんな感情を感じちゃう自分もアリだよね」という要領です)
⑤ノートに素直な感情をひたすら書き出してみます
これがベーシックなネガティブ感情手放しの流れになります。
ネガティブ感情や執着は受け入れて感じてあげることで解放される習性があるのですね。
ネガティブ感情をひたすら受容し、感じてあげるとその感情に自分が振り回される大きさや頻度がだんだん少なくなっていきます。
また、応用編ではありますが、
上の5ステップに加えて「なぜその感情が発生してしまうのか」「その感情が発生する原因はなぜ発生するのか」というように原因を突き詰めていくとより一層、根本的な解決に繋がっていきます。
例えば、「恋人が返信をくれない、イライラする」というネガティブ感情であればそれを素直に感じてあげて、
そのネガティブやイライラを抱いている自分をまず認め、許してあげます。
そして「私はこんなにもイライラしている」「私は本当に腹が立っている」「私はあいつを許せない」という素直なネガティブ感情をノートにひたすら書き出していきます。
少しスッキリして気持ちに余裕が生まれてきたら、「なぜ返信がないと不安に感じるのだろう」「なぜ返信がないと愛されていないと感じるのだろう」「なぜすぐに返信が欲しいと思ってしまうんだろう」という風に、
ネガティブ感情の原因と、その原因のさらなる原因を突き詰めてみましょう。
ありのままの感情を認め、それを解放し、原因まで遡っていくことで、
ネガティブな感情や執着、欲求を少しずつ手放すことができるようになります。
ネガティブ感情を満たそうとしたり、抑圧したりするのは見てきたように「一時しのぎ」にはなりますが根本的な解決には至りません。
最初は少々難しいかもしれませんが、ネガティブな感情を処理するためにはまず自分の素直に感情を感じ、それを認めて許し、解放してあげるようにしましょう。
そうすることで、どんどん感情に振り回されにくくなり心が楽になっていくと思います。