自分の弱みを受け入れましょうという話をよくします。
自分の弱みを受け入れないというのは自分の弱みを否定している状態です。
弱みを否定すると自己否定や他人との競争心、プライドなどが生まれます。
「自分の弱みの否定=自己否定」は分かりやすいと思いますが「自分の弱みの否定=競争心」はピンとこない人も多いでしょう。
自分の弱みを受け入れられない人は「自分は弱くないんだぞ!強いんだぞ!」ということを何らかの形で証明しようとします。
それをもっとも分かりやすく証明できるのは他人との競争ということです。
例えば「マウント」という言葉が流行りましたが彼氏のスペックで思わずマウントを取りたくなってしまう女子は彼氏のスペックによって測られる自分の「価値」のようなものに敏感で、自己否定してしまいがちなのだと思います。
人はモノではありませんからそもそも「価値」などという表現はおかしいのですが、自分の価値のようなものに疑いを持っていて、それを弱みだと思っていて、それを認めたくないからこそ他人との比較競争(すなわち彼氏のスペックによるマウント)に走るわけです。
そして彼氏のスペックによるマウントで他の女子に勝てていれば優越感に浸り、
逆にマウントを取り返されて彼氏のスペックで劣ってしまっていると感じたら劣等感を抱くわけなのですね。
マウント、競争心、他者比較の根底には「自分の弱み」を受け入れられない心理があるのです。
他者比較や競争により「自分は弱くないんだぞ、自分には価値があるんだぞ、自分には欠点はないんだぞ」ということを証明しようとしているわけです。
もちろん競争心には終わりがありませんから、Aさんとの競争に勝ってもよりすごいBさんが現れますし、Bさんとの競争に勝ってもよりすごいCさんが現れますし、Cさんとの競争に勝ってもよりすごいDさんが…というようになり、いずれは競争に敗れ、劣等感を抱くことになります。
プライドが高い人はここでさらに強烈な自己否定に走ってしまうでしょう。
ことの発端は「自分の弱みを受け入れられない心理」からの競争心です。
「自分は自分のままでいいんだよ」という自分への許可をあげると競争や比較優劣に振り回されることのない、気楽な人生を生きやすくなります。
人は皆長所があります。そして短所があります。
その短所がいわゆる世間常識的により目立つものだった場合、自分を否定してしまいたくなるのは当然ですし、短所を自己否定し競争に走ってしまうのも当然なのかもしれません。
(繰り返しになりますが、競争心というのは自分の短所を受け入れられないからこそ起こるものでした。)
でも、短所や弱みを矯正しようとしたり、それを否定して競争しようとしたり、プライドをこじらせてしまったりするのはやはり生きにくさの原因になります。
人生に「こうならねばならない」というのはないんです。弱みは弱みでいいんです。あなたはあなたのままで良いんです。
もし競争や比較優劣に疲れたら、「一抜けた!」と良い意味で諦めてしまうのが良いと思います。
競争心はどこまでいってもギスギスしていて窮屈なものなので、そんなものからは早いうちに抜け出して解放的な人生にしていきましょう。