「自分らしく生きる」=「個性的に生きる」ということでは必ずしもないことに注意が必要です。
「自分らしく生きましょう」というと、
「それでは会社を辞めて起業した方がいいんでしょうか?」と言う人がいたり、
「給料を下げてでも転職した方がいいんでしょうか?」と言う人がいたり、
婚活中の人では「独身を貫いた方が良いのでしょうか?」と質問してきたりします。
確かに、「自分らしく生きる」と決断した時に起業を決意したり、転職を決意したり、長期の旅に出ることを決意したり、一生独身や子供を産まないなどの選択をする人も一定数います。
しかし、それは結果論であって「自分らしく生きる」ということは「少数派になれ」という意味では決してありません。
多数派の生き方であるとか、少数派の生き方であるとかは関係なく「どうしたら自分が快適でいられるか」「どうすれば最高に楽しいのか」を考えて選択していくのが「自分らしい生き方」ということなのです。
例えば起業などとは無縁に、会社員や公務員として組織を支えていく方が性分に合っている人はたくさんいるでしょう。
そういう人にとって起業やフリーランスなどの生き方は地獄でしかないかもしれません。
海外を飛び回るような生き方とは反対に、ずっと自分が生まれ育った田舎にいたい人だって多いでしょう。
地元が心地良いのであれば仕事などであちこち飛び回る生活は苦痛すぎます。
周囲の皆が結婚する時期に婚活〜結婚し、皆が出産する時期に出産〜子育てしたいという人だって大勢います。
自分にとってそれが快適で幸福なのですから、それが正解なのです。
自己啓発書を読んだり自己啓発セミナーに通ったりしている人はどうしても「少数派が正解」「個性的に生きるべき」「尖った生き方じゃないと楽しくない」という思考に染まりがちだと思います。
確かに「少数派」に生きがいを感じるのであればそれが正解でしょう。
でも、「多数派」に幸せを感じるのであればそれもまた大正解なのです。
少数派vs多数派、個性的vs大衆的などのモノサシではなく、あくまで「自分が快適かどうか」「自分が幸せかどうか」で人生選択をしていきましょう。